府教委への質問要望事項集成 過去に話題になって未だ回答が 無いものや、新しい施策に伴う 疑問や要望などを集成した。 行政の施策について考える場合の基礎資料としていただければ幸いである。報道・情報公開されていない情報についてはここでは略した。 第一の柱、過去に曝露された人の健康調査と定期的な精密検査について @アスベスト含有吹付けのあった学校の卒業生 や教職員につ いて、アスベスト被害の調査方法を専門家に委託して検討してほしい。 A職務上曝露された可能性のある府職員の精密検査費用について(詳細略) 第二の柱、事例検討 (1)**校などの見落としについて @「府立学校建築物等使用建材調査の実施について(依頼)」(平成17/8/4)に「建築図面どおり施工されているか実地に確認します」とある。このとおり行われていたのか。 A平成18/1に**校等に配布された「使用建材一覧表」にどう記載されているか? B当初非含有とされていたのが、後に含有吹き付けとわかるまでの経過を時間を追って詳しく文書にしていただきたい。 C同様の見落としが他校には絶対にありえないと言えるか?言えるとすればその根拠を説明していただきたい。 D含有建材を非含有建材と誤ることによる健康影響の恐れは大きい。生徒・保護者への説明や謝罪はどのようにしているか? E今後の再発防止策についてどのように考えているか?見落としもありうるものとして、継続的に調査を行うべきではないか?(平成17/8/4に教育長から共産党府議団への回答書に「現状では定期的な調査は必要ないと考えている」とある。この考えは過っていたのではないか?) F今回の経緯と再発防止策を今後の教訓とするために文書としていただきたい。 (2)***校における「使用建材一覧表」「分析報告書」のミスについて @略 A略 B記載ミスについて、他校から指摘はあったか? C「建材一覧表」作成は短期間に膨大な仕事量だったと思われる。万一ミスが会った場合に生徒への健康影響は大きい。ミスもありうるものとして、継続的なチェックの方法を考えるべきではないか?特に、吹き付けだけの一覧表を作成し、教職員や保護者生徒に配布してはどうか。検査に不備があれば、疑問としてあがってくるのでチェックすることができる。 (3)新潟県**小学校における生徒と教職員の曝露事故について @文部科学省その他から何らかの事故情報を得ているか?報道で接するだけか? A事故原因からどのような教訓を得ているか? Bサンドブラスト工法に問題があったと報道されている。「共通仕様書」313ページ「除去工法は施工業者の仕様による」とあるが、使用してよい工法を指示するべきではないか? C工事区画と生徒使用区画と近接しすぎていたこと、生徒登校日に工事をしていたこと、工事予定を生徒や教職員に周知させていなかったことにも問題があったのではないか。 (4)本府「共通仕様書」の以下の箇所の見直しが必要と思うがどうか? @309ページ、基本品質要求に、飛散防止とくに児童生徒の曝露防止を加筆 A310ページ、表911測定5の測定点は一般的な敷地境界とするのではなく、工事区域境界とすべきではないか。工場ではないのだから、工事区域以外に飛散させてはならない。 B教職員児童生徒への説明周知など良好なコミュニケーションを加筆 第三の柱、施策の基本方法 (1)府教委・市町村教委・学校の関係について @『地方教育行政の組織及び運営に関する法律』第四十八条の指導助言援助責任、第四十九条の基準設定権限に照らして府教委から市町村教委へのアスベスト対策の指導助言は適法ではないか。現に、府教委はいじめ調査を市町村教委を通じて全学校に指示している。アスベスト対策については、まだ十分世間に普及しているとはいえないやや専門的な知識を必要としている。小規模な自治体では、担当する技術者の数も、アスベスト対策工事の経験数も限られている。たくさんの経験をすでに蓄積している府教委が、市町村教委に対して、以下のような実態把握や指導助言を行うことは責任範囲ではないか。 イ、文科省調査に沿った市町村立学校のアスベスト実態把握 ロ、アスベスト関連工事実施上必要な知識経験を普及すること。 A学校内の担当者(管理職、行政職、保健主事など)に対しても知識を普及する必要があるが、昨年1月の説明会以後、 学校内担当者に対してどのような情報を送ったか。研修などの機会を設けたか。 (2)業者との関係について 従来は、府→解体改修業者→石綿除去業者→測定業者と次々に下請けさせていた。測定 業者などが発注元の思惑を気にせず仕事ができるかどうか不安が拭えない。また、安全対策を重視する意味からも、石綿除去や測定を直接発注するべきではないか。 (3)保護者等との関係について 保護者あるいは当該校の保護者になろうとする者は、学校施設の重要事項について知る権利があるはずだ。今までに判明しているアスベスト含有建材とその管理計画について、府は毎年保護者などに説明し、質問や要望に答える責任があるのではないか。 学校間競争が奨励されている現状では、自校が著しく不利になるこのような情報を各校独自判断で公開することは困難である。設置者の責任として積極的な情報開示を行い、質問が寄せられた場合には懇切な回答がされるような手だてを講ずるべきである。 (4)児童生徒との関係について 工事は児童生徒が登校しない日に行われることを原則とし 、やむを得ない事情がある場合には、児童生徒の接近防止に必要な手だてを講じてほしい。 第四の柱、アスベスト含有吹き付け材対策 (1)吹き付け材等の調査について @05年度調査は、府教委が府立学校に対して行った調査方法がより広範囲かつ精密で、市町村が文科省の指示で行った調査方法は対象が限られている。府下について、府教委の方法で統一する考えは無いのか。 A市町村が文科省指示で行った調査について、市町村別に、吹き付けのある学校・「飛散の恐れのある学校」・措置済みの学校を把握しているか? B飛散の恐れの判定は誰がどのような基準で行ったのか把握しているか。 C市町村から、Aの情報以上に、吹き付けの材質やアスベストの種類、天井裏等で点検口が無かったために調査できなかった部位の数などについて、情報は入っているか? D市町村および府の調査でアスベスト含有吹き付けとして報告されていなかったにもかかわらず、いったん報告された後になってアスベスト含有吹き付け等であることが分かったものは何カ所何校あるか?その学校名は?調査から洩れた原因は何か? F市町村立学校で、天井裏の鉄骨にアスベストが吹き付けられている可能性がある鉄骨コンクリートパネルの学校は全部で何校あるか把握しているか? G市町村立学校で、天井裏にアスベスト含有吹き付けがあることが判明している学校は全部で何校か把握しているか? H府下の全学校で、天井裏にアスベスト含有吹き付けがあったり、以前に囲い込みや封じ込め処理がされていて今も吹き付けが残っていたり、飛散の恐れが無いとの理由から吹き付けが残されている学校数はどれくらいあるのか? (2)天井裏等に含有吹き付けが残っている学校の問題について @府、市町村、私立の全学校で、天井裏や囲い込み封じ込め処理済み等で残されている含有吹き付けがある学校数は? Aこれらの学校について文科省は「計画的な除去」を検討することを推奨しているが、府や市町村では、今までどのような検討がなされたか?新聞報道では、具体的な検討がなされる前に、「共存するしかない」などと報道されている。予算的に困難とか技術的に困難と言われるが、業者に見積もりなどを取ったのか? B天井裏等にアスベストが残っている学校は耐震工事が可能か? C震災時に天井が落ちてアスベストが飛散する恐れがある。天井が落ちる程度の地震の規模は?そのような規模の地震が将来起こる可能性は? D生徒が過失または故意に天井板を破損することを想定しなければならないのではないか? 天井板の上側にアスベストが堆積している可能性があるのではないか。破損時の飛散および修理時の飛散をどの程度と考えるか?仮修理および本修理は、施設課直営で専門業業者に委託して行うべきではないか。 E小規模な電気工事などで天井板に穴を空けたりネジ止めしたりする場合があるはずだ。(以下詳細略) 小規模な電気工事や営繕工事であっても、天井裏にアスベストがある天井板をいじる場合には、施設課直営とすべきではないか。 Fスピーカーのコーンはゴキブリの好物で古いものは穴が開いているとの見解があるがどうか。 G天井裏の空気を逃がすための外気向けの通気口からの飛散による被害は考えられないか? H破損しないように生徒に指導するためにも、毎年保護者や生徒向けに、天井裏のアスベストの所在と対策について、設置者として責任ある説明あるいはプリントの配布が必要ではないか。校長任せではなく、府教委として指導すべきことではないか。 I毎年の管理に必要とされている、気中濃度測定は今年はどのように行う予定か。夏のエアコン期間中に、ふだんの使用状態で測定することを原則とすべきである。 (3)除去工事の飛散対策について 1で質問した。 第五の柱、アスベスト含有成形板対策について (1)「波形スレート」について @組合との交渉などで、劣化著しいものについては撤去を検討しているとのことだったが、その後どうなっているのか。撤去を希望している件数は?その検討状況は?また、このことを各学校に知らせたり、府として調査する必要があるのではないか。 (2)「モルタル」について @石綿協会が発表した石綿調査監理指針によれば、外壁モルタルにもアスベストが含有されている可能性があるとなっている。2002年の大規模改修工事の際にモルタルは砂とセメントだけからなっているからアスベストは絶対に入っていないとの説明が施設課員からなされたが、そのことを証明する材料を持っているのか。 A今後は外壁などのモルタルについても、石綿協会指針にもとづいて、分析調査を行うべきではないか。また、人の命にかかわることだから、少しでも疑問が出された場合には、分析することを今後の原則としてほしい。 (3)含有ビニルタイル @「含有ビニルタイル」について、府は条例の「含有成型材」の面積に含めなくてもよいとしていると聞く。なぜか。ビニルタイルは表面に塗料を塗っているが、解体などで剥がすときには飛散の可能性があるのではないか。 (4)その他 @含有成形材を「非飛散性」と呼ぶことは、解体改修時にも飛散しないかのような誤解を生じやすく、その誤解を利用したずさんな説明が近隣住民になされた例もある。アメリカの環境保護庁のパンフレットでは、「非飛散性」建材から飛散する場合について詳しい説明がある。府も今後はこれに見習って誤解のないようにしてほしい。「非飛散性」 という名称を「含有成形板等」に変えてはどうか。 A府条例では含有成形材が1000平方メートル以下の場合には、気中濃度測定は義務づけられない。それにもかかわらず、境界上の気中濃度は10本以下にすることとなっている。条例の矛盾点ではないか。学校では、安全重視の観点から、含有成形材を扱う工事では気中濃度を行って安全を確認するべきではないか。 B府条例では、含有成形材の飛散防止対策は「散水、原則手ばらし、破砕回避」となっている。業者へのアンケートによれば、実際には手ばらしは困難な場合が多く取り付け部位などを破砕することが多いらしい。これを最低基準として、学校では生徒の安 全を第一に考える立場から、より具体的な作業標準をもうけてはどうか。 C上の作業標準には次の事項を入れるべきである。 イ、教職員保護者児童生徒への説明と意見交換 ロ、児童生徒の登校しない日または周辺にいない日に行う。 ハ、区画の密閉隔離又は十分な開放と作業員以外立ち入り禁止措置 二、事前事後の真空掃除機や濡れ雑巾による粉塵除去 ホ、状況によっては工事中の負圧吸塵、真空掃除機使用、飛散防止剤散布、気中濃度測定を検討 へ、気中濃度測定を行って安全を確認してから生徒に使用させる。 第六の柱、調査分析測定表示 (1)学校内の気中濃度測定 @測定空間を可能な限り密閉することを徹底していただきたい。 A測定は、休日や夜間の静穏時ではなく、生徒が使用した直後などできるだけ普段の使用状態に近い条件で測定していただきたい。もし個別に不安な場面があるならば、不安解消の見地から、技術的に可能な限り関係者の要望に沿った箇所を測定していただきたい。 A測定結果は速報値だけが知らされることが多いが、視野内の繊維数など、さらに元になったデータを含めてすべての情報を公開してほしい。 B工事その他の原因からアスベストが学校内に飛散しているかどうかを調べる目的だから、屋外のバックグランドを測定し、そのバックグランドと比較できるだけの測定精度で問題の場所を測定し、バックグランドを超えないことを施策の基準とするべきではないか。一部の自治体で10本以下であることをもって、健康上問題がないとしているが、 10本の生涯曝露生涯過剰死亡率が1000人に1人以上との研究もある。軽率な安全宣言は問題ではないか。府としては、事実を正確に発表するよう指導するべきではないか。 C測定下限値を0.1本以下にすることについて(詳細略) D府教委が委託する測定業者を特定業者に限ると誤解を招くもとになることがある。測定業者の選定は偏らないように配慮してほしい。 (2)建材中のアスベスト定量分析について @含有率0.1%までを、含有とするように厚労省基準が変わったが、府下の学校調査で、新たに見直す必要がある吹き付けはないか。すなわち1%未満のものについて、新たにアスベスト含有建材として記録、発表、対応すべきものはどのくらいあるか。 (3)結果表示制度について @「アスベスト調査結果」という題目は、「アスベスト吹き付け調査結果」とすべきではないか。 A調査洩れは今までにもたくさんあった。アスベストでは無いと言い切ることは危険である。結果表示という簡単な方法ではなく、利用者への懇切な説明が必要ではないか。 B特に「世界保健機構基準以下」との掲示は説明不足で、事実上10本/Lを安全基準とみなしている。この下に詳しい説明を入れて欲しい。 (4)調査洩れの重大性と責任 @府立高校だけでも、1987年調査でアスベストではないとされて対応がとられないまま曝露が続き、後にアスベストであるとわかった吹き付けがたくさんある。アスベストではないとした府の責任は大きい。(以下略) (5)建材以外の調査 @茶炉敷きにアスベストが含まれているとの専門業者の意見がある。ガラス工芸用の敷き板にはアスベストが含まれている。建材と調理器具以外の教材備品についてもアスベスト含有調査を行う考えはないか。 (6)旧石綿工場近隣校地の安全確認 @旧石綿工場近隣に校地のある学校が複数わかっている。グランドの土壌にアスベストが混ざっているのではないかなどの不安がある。専門家に依頼して、安全確認の方法を検討していただけないか。 |
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